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果てしない海原の向こうに見える世界最高の落日を見に行こう 1 [library museum]

  遅くなりましたが、第1章のみバレンタイン前日にアップしましたが
ちなみにその後、最後までアップし終わりました。
左上の前の1件をクリックで進みます。

本当にすみません(`_´)ゞ
もう今年で43歳になりますんで、とにかく忙しいのと、
体力的にもいっぱいいっぱいでフル活動ですが、昔に出版社の人に60過ぎて
ゆったりかけばいい、というふうに言われたが、
浮かぶとつい書かずにおれない(´∀`*)
いいフレーズを忘れちゃうと勿体無いからね。
ということで、内容はすでに文学賞に出したものに 
一部校正、加筆をしてあります。♪( ´θ`)ノ

来月の更新は3月下旬かな?そろそろ桜の季節です。
クリスマスは大変好評だったので、頑張ります(´∀`*)

ちなみに、今日何気に天照大御神と月読命の太陽神と月神の日本の
神話を検索してて、このブログタイトルがギリシャ神話の太陽神と月神と
いうものなので他にも色々調べたが、他にも北欧や台湾など世界
各地に太陽神と月神の神話があるらしい。
でも、記述がそれぞれ違うので、やっぱり図書館行かねば、
と思った。(風雨がすごいので諦めたが。(`_´)ゞ)
この作品タイトルに落日という言葉を使ったので、余談ですが
あしからず(^。^)


追記  今日、2月28日  順調にアクセス数を稼いで、日々100近くの
カウントを稼がせていただきました(^。^)
ちなみに、過去ログもずいぶん目を通してくれているようで、
とても嬉しい。特に今回は、受賞ならずも非常にカウントが多く、
文字数の関係上活字が苦手な人は、面倒でしょうが、(それでも少ない方だが)
にもかかわらずこの数字が半月も順調なので、ウルウル(´∀`*)
執筆に甲斐があった(⌒▽⌒)
みなさん、本当にありがとう(`_´)ゞ


   

 「果てしない海原の向こうにみえる     
                        世界最高の落日を見に行こう」

                    第1章
 

昨日の夜そのニュースをみた。

バイク型のタイムマシンの研究に着手」

ニュースキャスターは、ものすごく平坦な口調でまるでなんの
感情もないかの様にその原稿を読み上げた。
  映画に出てくる様なアメリカンタイプのバイク型で、とある
アメリカ大学で実用化に向けて研究に着手したという。
 表向きは、ブラックホールの研究をしているグループだそうだ。
 たまたま実験の最中に、ブラックホールの理論に応用できる可能性
が出てきたそうで、それにともない実験に対する正式な許可がその
大学で出た ということ。
  お遊びではないが実際には実用化はまだ20年以上かかるという。
あくまで研究段階だというが、いつかはこういう未来が現実にくる
のだということの方が正直びっくりする。

朝、カーテンの隙間から溢れる朝日と、けたたましい電子音のアラーム
で目が覚めた。
パソコンの待ち受けディスプレイには、珍しくメールボックスへの
メッセージの着信を伝えていて、限られた人間にしかパソコンの
メールアドレスを周知していないので、何事かとそそくさとメールボックス
へのメッセージを見る。
 そこには同じベーカリーショップで働いている先輩のかりんから送信された
メールが入っていて、ひとこと。

ーニュース見た?パソコン大丈夫?ー

とメッセージが入っていた。
寝不足の頭で何のニュースだろう?タイムマシンか?とか考えながら、
「何?何があったの?」
と慌ただしい返信を送信したが、かりんからのメッセージは、朝の
9時半の受信になっていた。
 昨日の夜以来突如、まるで映画の世界に迷い込んだ様だなあ、
なんてのんきに思った。

壁掛け時計は今、午前10時を指していた。
しばらく待ったが、返事が来そうな気配がないので、諦めて
テレビのスイッチを入れてニュースを探した。

昨晩風呂上がりに三つ編みをお団子にして眠ったので、
それを外してヘアスプレーでセットして、ボディパーマ風に
仕上げてみたが、今の時期はまだテスト休みではないが、
今日は平日だが出られる授業はない。

 大きな字幕で「データ障害 復旧の見通し立たず」と画面上に
一文が表示されており、東京外国為替市場や日銀が運営して
いるデータサーバーや、NTTや大手プロバイダーの大型サーバー
がハッキング集団かなにかの、ウイルス攻撃らしきものの被害
にあい、軒並みデータ障害が起きている、という騒動で朝から
都市部が大混乱に陥っているらしい。

これでは本当に映画の世界の話だ。
それにしても、現実なのに、このあとどうなるのかなあ、
なんてぼんやりとした頭で考えた。

「ありゃ、なんだ、まずいなあこりゃ」
もう一度メールボックスを開き、メッセージを入れて見る。

ー何これ?どうなってんの?ビックリ!!ー
送信

再びかりんにメッセージを入れてみるが、具合の悪いことに
携帯端末だけが通信障害のエラーメッセージが出ている。
パソコンはLANを使用しているレトロなものなので、
電話線が生きていて通常どおりに起動して、データも大丈夫
だった。
おそらく、バックアップサーバーなどを使用して起動できるもの
なのだろう。
まったく差し支えなく動いている。

それに今は普通に電波を受信しても、通信を常時復旧できる
システムが、機械本体に内蔵されている場合がほとんどなので、
だいたい完全にシャットダウンしてしまうことがないように
作られている。

ニュースでは軒並みATMや大型サーバーのダウンによる、端末の
障害が次々と伝えられて、全面復旧には少し時間がかかることや、
そのことで株式市場や、為替市場に影響が出始めていて、
今日は火曜日だから、ヨーロッパ各地やアメリカ大陸はまだ
現地時間で夜更けか、真夜中にあたる時間なのだが、中国の
市場は朝から異常事態の報を受けてとても混乱した。

基本的には大型サーバーでも、バックアップが取れる体制が
できているし、www.は断線に強い構造になっているのだが、
敵はサイバーテロのプロフェッショナルらしく、復旧回路の
網目を寸断なく攻撃した様子だ。

キッチンの冷蔵庫に入れてあった、パン・ド・カンパーニュ
をオーブンでカリカリに焼いて、冷やしてあったアイスコーヒー
に牛乳をたくさん注いで、慌ただしい朝食を摂った。
別にこれといった用事がないのだが、なんとなくせわしない。
 
 パソコンの待ち受けに再び、メールの受信ありのメッセージ。
急いで開いてみると、
ーいやあ、大変だよ!!どうしようかあ。私、これを
理由にパソコンの不調で1週間休もう!ー
と呑気なメッセージ。
ーえ!!ヨーロッパの人の様な呑気なメッセージ。
うーん、いいなあ。ー
すぐさま返信する。

 私は1年浪人して美大に入ったから、まだ2年生だ。
かりんは私の6歳も年上で、私がアルバイトをしている
ベーカリーショップで働いている先輩で、意気投合し
今に至る。
 彼女は栄養士の学校を出ていて、将来独立したいという
夢があるらしい。
ー銀行すごい混んでいて、大変だよ。ちょっとさあ、
混乱に乗じて日本1周旅行しようよ。1週間かかるかなあ?ー

えっ・・・・。(冷や汗)
日本一周ってなんだ?

さすがに驚いて、返事を考えあぐねたが、スケジュール帳を確認
してから、今日は1日時間が空きそうなので、再びキーボードを
叩いてみる。
ー1周は無理でしょう?えーっ。
こんなこと1週間続いたら日本が潰れてしまう。
どうせなら今日は暇してるから、女2人で東京湾を
1周ドライブしますか?ー
すぐさま、
ーようし、じゃあ今から迎えに行くね!!待っててね!!ー
という返事。
今からというメッセージに慌てて、鏡を覗き込んだ。
 麻紐風の夏っぽいミュールを履いて、ワンルームの
自宅の玄関を後にした。

                                                   この作品はフィクションです。





果てしない海原の向こうに見える世界最高の落日を見に行こう 2 [library museum]

         
                           第2章

私たちは、11時過ぎには辰巳のパーキングエリアにいて、
ナビゲーションと地図を片手に予定経路の計画を立てていた。
時間的には、東京湾一周は夕方までに完結するとふんで、
地図を片手に真剣に計画を立てた。 
  まずは、お台場でランチを取ることにしたが、この様子だと
あっという間に日が暮れそうでもある。陽射しは5月らしく爽やかに
心地よい風とともに降り注いでいる。
オレンジ色の腕時計で、私は時間を確認した。

今日のドライブは暇つぶしにしてはナイスアイデアだと
2人は考えていた。 
  午前中のニュースには続きがあって、活字専用端末で
次々と様々な情報を検索した。
が、東京市場の混乱で、1時間遅れの中国市場も午前中は
混乱を極めた。
朝、突然降って湧いた騒動にすぐには立ち直れない。
  ただ、幸いしたのは金融市場関係の障害は夕方までには、
おおかた復旧できる見通しなのと、ちょうど株価もここ数ヶ月
好調な安定期に入っていたこと、為替市場も安定期で大きな
変動はここ1ヶ月ほどまったくといっていいほどなかったので、
経済的なダメージは混乱の割に少ないと予想された。
ただ、物理的なダウンのダメージが、2、3日は多少影響することや、
大型サーバーのダウンによる一部障害状態が、思った以上に
日常生活に大きく影響をもたらすであろうことが考えられたので、
そのことが原因して混乱は予想以上に大きく感じる雰囲気で報道
された。
  しかし現時点では、通常どおりに電光掲示板も復旧しているそうだし、
市場も通常に戻っているので、朝の一報の時点で考えられたよりも
極めて少ない混乱で収まったことは、不幸中の幸いといえよう。
  まだ、一部のコンビニエンスストアのATMやら、ネットバンクなどに
障害が出ているので、その部分さえ復旧すれば、経済分野はほぼ
正常に戻るそうだ。
  むしろ、あとひとつの懸念材料としては、現在まだ日中で市場が
本日のアジアの異変を受けてどう反応するかが問題で、サイバーテロが
原因だというマイナス材料がどう現れてくるかだ。
  実際には世界的にも安定期であったために、影響は少なからず
あるが、ここで素晴らしいのは日本のIT技術が本当に飛躍的に
進歩していて、なおかつ緻密な運営をされていることから、本当の
中枢に対するダメージが極めて少なかったことや、むしろ一部の
タイムマシンの報道の影響の方が、どういう風に現れてくるかが
きわどい部分であるが、今回のことを踏まえてまた技術向上に努め
なくてはいけない、ということをニュースではキャスターが話して
いた。
  今のところ、道路情報などにもまったく影響がないようなので
まるでニュースでの報道がガセネタであるかのように妙な
違和感さえあり、普通の生活には何ひとつ問題は起きてなかった。

私は、かりんに
「タイムマシンがいかんのじゃない?」
と聞いたら、
「えっ?」
と怪訝な表情になったので、私はまたもや妄想癖が災いして、
妙な事を口走ったかと思うと、もう一度活字専用端末で、
タイムマシンを検索した。
ヒット数はなぜか10件と少ない。
  確かに昨日のとある新聞に研究に着手するという記事が掲載されて
いたが、それは研究論文を元に試作品を作成することが可能かどうか
という研究で、実際には開発されると世界大戦が起きかねない
ということも懸念され、さらに、技術的な問題点が非常に大きいと
掲載されていた。
「ふーん、SFの世界だな。でも影響ありかもね。」
とかりんは妙に神妙な反応を示した。
タイムマシン自体はブラックホールの研究をかくれみのにして、
研究を続ける研究者が結構いるそうだ。

2011年、とある掲示板でジョンタイターという人が、
ネットに掲載したタイムマシンの理論が話題になったそうだ。
もちろん、それは都市伝説だが、ゼネラルエレクトリック社が開発した、
2034年の1号機というものらしく、そのジョンという人が、2036年
からそのタイムマシンの発表に来たらしい。
確かにアインシュタインの1930年代には、ワームホールと一般相対性理論が
矛盾しないということが、論じられていたということなので、決して
不思議なことでもないのであろう。
重力歪曲時間移転装置なるもので、これもブラックホールの理論の応用らしく、
ただ、現実的には2036年は現時点では訪れてはいない未来なので、
このことが本当のことかは、まだ誰にも証明ができない。

でも、2011年にその人が過去に遡ってやってきたら、それで事実が食い違うん
じゃないかなんて事をふと、この話しを聞いた時に矛盾を感じたのだけれど、
考えすぎるとわからなくなるので、考えないことにした。

なので、今回のこともおそらく過渡期であるが故の発表なので、
本当にそんなもんができるかどうかは、神のみぞ、いや、神すら
知る由もないだろう。
過去には、メッセージのやり取りを過去と未来とに渡って行う
という研究は実績があるようだ。
 もちろん、一部の研究ではまだ不可能であるともいわれているらしく、
いろいろ突き詰めて論じていくと、理論的な矛盾が生じるらしい。
これが一種のパラドックスだというそうだ。
  今日は梅雨前の合間の晴れでレインボーブリッジもくっきりと、
臨めるし人出はあまり多くはないが、一画にあるオープンカフェのレストランは
程よく座席が埋まっていた。

この辺りは、たまに夜にドライブすると、それはそれは、昔のアニメか
何かに出てきそうなアンドロメダ駅みたいな感じで、宇宙の小惑星に
浮かぶ銀河ステーションさながらのライトアップされた光と、人波の
コントラストで多くの人類が宇宙に当たり前に飛び立てる日ももう目前
のように感じる。

かりんはソーシャルネットでのメッセージのやりとりに集中していた。
「普通に送信できる。」
と聞くと、
「それは問題ないけどね。でも、たまに通信ダウンするね。」
と何か言いたそうな素振りを見せた。
「なんかあった?」
私が不思議そうに聞くと、
「彼の誕生日でね。今日。」
と、唐突に言い出した。
「え、こんなとこにいていいの?」
と、私が言うと、
「今日の騒動で休みの予定がなくなったって。受注のデータとかが、
飛んじゃってて大変らしい。」


この作品はフィクションです。♪( ´θ`)ノ













 

果てしない海原の向こうに見える世界最高の落日を見に行こう 3 [library museum]

       

                                     第3章

 BGMには、スカのメドレーなのか、SPECIALS のmonkey man が流れている。
  2人のアルバイト先のベーカリーショップでは、ホワイトチョコのムースが
人気があって個人的にもお気に入りだが、ドルチェのメニューに目を通し
ながら、マスカルポーネのティラミスと、クリームブリュレをシェアして
食べることにした。
  店を出て、13時になる前に車に乗り込んだ。
  湾岸線を通り、大井埠頭を抜けて羽田空港を横目に見ながら、そのまま
走るとその向こうはもう川崎で、アクアラインの入り口だった。
  ラジオで午後の現況についての放送をしきりにしていて、情報障害の原因は
サイバーテロであるらしいと、繰り返し指摘をしていた。
  1時間かからずにアクアトンネルを通過して、人工島の海ほたるについたので、
3階の駐車場に車を停めて、まずはすぐに展望デッキのある5階へと向かった。
  5月晴れの快晴の空は、ちょうど海の青さと相まっていっそう突き抜けるような
高さを感じさせた。
  この人工島からの木更津方面のアクアブリッジを横目に見ながら、その先に
広がる内房の房総丘陵を望む景観は、何か未来と過去の融合というか、いつの
時代に生きているのだろう、というような不思議な時間感覚に襲われる。

2、30分ショッピングフロアや、展望デッキを散策してから、私たちは再び
車に乗り込んだ。かりんは彼へのプレゼントの紙袋を大事そうに胸に抱えて、
車に乗り込んだ。
「何を買ったの?」
私が聞くと、
「内緒!!」
と言ってそそくさと運転席に乗り込んだ。
アクアブリッジを抜けて、木更津方面に着くまで、順調なら20分くらいしか
かからない。
  眼前にまっすぐ伸びるハイウェイと両側に広がる海原は、こんな天気の
いい日には本当に爽快な気分で、マリンジェットか何かで水上を滑走している
みたいな気分になってくる。
それこそ、子供の頃に何度も見た鳥になって広い海原を
羽ばたくような、そんな夢のような。

「夕陽と、陽が沈む景色が見たいなあ。」
かりんがそう言った。
このまま進んでいくと、19時ごろの日の入りまでには、東京湾の
どこかしらで夕陽を眺められる。
今はまだ、15時前だったが上り車線になるので、夕方の渋滞に
巻き込めれても、湾岸線の付近のどこかしらの海辺に到着できるはずだ。
ナビゲーションの計算結果も、2時間もあれば湾岸線付近まで進めるという結果が
でた。
「もし、今朝みたいにもっと大きなサイバーテロとか、そういうのがおきて、
日本がなくなったらどうする?」
運転をかりんに替わってもらって、私は助手席でアイスコーヒーをすすりながら
BGMに合わせて鼻歌を歌っていたが、かりんの唐突な質問に
「えっ?何言ってんの?」
と返事をしてから少し考えた。
「私は日本に残るよ。だって、新しい国ができても、
新しくなってから考えればいいよ。」
かりんは、
「私は日本が複数に国に分割されたら、それもいいなあなんて
思うんだよね。」
と、斬新なアイデアを口にした。
そして、続けて
「そしたら、真ん中くらいの国に行くと思う。」
と言った。
「何?真ん中って。徳川時代みたいな感じ?」
「いやいや、ヨーロッパの陸続きみたいなのだよ。
国のレベルが真ん中くらいの、普通っぽい国。」
恐ろしく話しが噛み合っていない。
「だってさあ、いろんな幸せがあるんだから、日本にたくさん
国があったっていいじゃない?みんなそれぞれに違う法律と
国境線と。すごくない?」
そんな夢みたいなこと、そんな夢みたいな世界、考えたことが
なかったから正直びっくりしたが、そんな風にして私たちが
生きてきた世界や時代と全く違う時代が訪れたら、そう考えるだけで
少しワクワクしたが、本当にそんなことが起きたら大騒動だとも思った。
  それはまるでアニメの筋書きのように感じられるようなことで、でも、
世界の歴史の中では実際にたくさんあったことだから、日本はむしろ
例外的な国かもしれない。

そう考えると、いつか私たちの前に、今と違う世界が実際に訪れるのだなあ
と思い、なんとも言えない気分になった。
  多分景色のせいもある。海に囲まれた景色はスリルもあって、いろいろ
妄想してしまう。

それにしても、新しい世界の妄想話なんて、その辺のアニメよりスリルが
あって、めまぐるしく動く社会の情報の嵐の中で、なんだか思ったよりも遠い
異国の地にでも来ているかのような錯覚を覚えた。
「でも、もしそんな新しい世界が始まっても、血みどろは嫌だなあ。」
と私は言った。
「まあね、痛い思いはしたくないよね。」
「VRとかVPNとかの中に入って、新しい世界に行こうよ。
その方が好き。」
「実際に入れるようになるかな?」
「それはわからないけど、タイムマシンの方が先かな?」
私はかりんに言った。

私は助手席で相変わらず鼻歌を歌いながら、映画の中みたいに、
魂だけがバーチャルの仮想現実に離脱して入って行って、まるで
共和国だったり、そんな風になった日本の新しい光景の中を
ドライブする夢想をしていた。
でも、今の現実は痛いことに魂と肉体は遊離しない。
魂と身体は死を迎えないと離れ離れにならない。

  人間にとって、魂が見る夢のようなものと、この身体とが共存して
生きていかなくてはいけないという現実と、その2つを折り合いをつ
けることが人生なのだろうから、バーチャルの世界だけでは簡単に生は
成立しない。

けれど、時は間断なく過ぎて行き新しい未来は、次々訪れて
時代は変わって行く。
  その変化の過程でたくさんの命が奪われることを、私は
望まない。歴史は今までその過ちを繰り返しては来たが。
  命が奪われるということは、同時に魂も突如終わりを告げる
ものなのではないか、なんて勝手に考えてはいるが、そうでないと、
輪廻転生なんて、辻褄が合わないことになってしまう気がする。
難しいことはわからないけど、なんとなくそう思う。

アクアラインを降りると、木更津に着き、都市化した街並みに
遭遇する。そのまま東京湾をなぞらえるように国道を北上して
いく。





この物語はフィクションです。
第4章はなるべく早くアップします。(´∀`*)







果てしない海原の向こうに見える世界最高の落日を見に行こう 4 [library museum]

          
                    第4章


案外道路が空いていたので、思ったよりも早く幕張、
船橋に着いた。湾岸線からは新都心のビル群が、排ガス
で少し霞のかかったような鬱陶しい空の下に、悠然と
広がっている。

 ビル群を超えて、海沿いの道路まで出た。
海岸の入り口では何かのフェスティバルがやっているらしく、
派手な衣装の若い子たちが大勢群がっている。

 16時過ぎに船橋の市街地を抜けて、東京湾の造成された
海浜地域についた。
平日の夕方なので、犬の散歩などをしている人が
チラホラいて、陽が少し傾き始めて海風は鬱蒼としている
が、ひんやりしている。
  ちょうど、砂浜の手前に舗装されたアスファルトの
歩道があって、そこを少し散歩をすることにした。
  すると、ちょうど目の前に車椅子の青年が立ち往生していた。

夕焼けの日没を眺めようとここに立ち寄った私たちに、
「すみません」
と、前方を指差して車椅子の青年は言った。
「向こうに自分が一緒に来たリハビリチームのワーカーさん
や仲間がいるはずなんですけど。少し車椅子を押すのを
手伝ってくれませんか?はぐれてしまったみたいで。」
「いいですよ。」
と言ってその車椅子のグリップを握った。

彼は左足と左手に麻痺がある様子だった。
ボランティアなどで車椅子の扱いには多少の経験があったので
すんなり動かしている私に、かりんは少しおどろいた様子だったが、
「いつも自分で漕ぐんですか?大変ですね。」
と言って彼に声をかけた。
彼は30歳くらいで割に爽やかな風貌の青年で、きっと後天的に
何か病気を患ったのだろう。
 「みんなと一緒に行動していたんですが、ずっと自走していた
ので、つい疲れてひと息ついているうちにすっかり取り残されて
しまって。」
彼は申し訳なさそうに言った。
  結構ごっつい雰囲気の車椅子で自分で自走できるように、
タイヤのグリップが太く設計されている。
椅子の部分はコンパクトで分厚いクッションが二重に
お尻の下に重ねてあった。
 「たぶんあの先にいる集団だと思うんだけど。見えます?」
彼は言った。
  前方の100メートルくらい先に確かに、車椅子を押したり
杖をついたりしている集団が見える。
  「すみません、もう少し押してもらってもいいですか?
端っこまで行ってからこっちに引き返してくるそうなんで、
ゆっくりでもいいので、押してもらえるとありがたいんですが。
わがまま言っちゃってすみません。初対面の方なのに。」
「いやいや、私たちは暇しててぶらぶらしてるだけだから
気にしないでください。」
私は言った。
「近くから来ているんですか。」
「車で30分くらいかかったかなあ。通所リハの送迎用の
ワゴン2台で来ているんです。」
「今日はとても天気がいいから、久々に来たんですよ。」
「2、3ヶ月に一度くらいはこうして散歩に出るんですよ。」
言葉の発し方の印象がとても好印象で、なんだか反対に
とても良いことをしてあげているような気持ちがした。
  そんな気分のまま、彼をグループに合流させて、
いい気分になった私たちは砂浜に向かった。
  車椅子の青年を連れた集団は、砂浜側までは降りられないそうだ。
まあ、当然といえば当然だが。
  リハビリの指導員の年配の人が彼の車椅子を押しながら、
何度となく頭を下げて手を振って、
「ありがとう!!」
と声をかけてくれたのでなんだか反対に申し訳ないような
気分になったが、砂浜まで向かう間2人はいつまでもいつまでも
手を振っていた。
  
 砂浜に出て、腕時計を見るともう17時をとっくに過ぎていた。

  すっかり傾いた太陽がオレンジ色に水面に反射しているが、
まるで夕焼けの景色が綺麗に写真のように写り込んでいるみたい
に見えて、幼い頃によく遊んだ万華鏡を思い出した。
かりんは
「こんな日にこんな景色が見られるなんて、なんだか幸せなんだか
よくわからないけど、でもすっごく気持ちよくない?」
と言った。
「わかる、わかる。でも私たちはきっと、地球上の人類の中でも
最高に値するぐらい幸せだと思うよ。」
「そっか、こういうのを幸せというのか。」

ちょうど夕方のの潮風が、ひんやりとして肌寒いくらいで
靴を脱いで波打ち際の塩水に足をつけた。
  東京へ戻る渋滞を考えると少し気が重くなったが、それでも
きっと明日は、もういつもの日常が訪れる。そう思うと、今日一日が
本当に素晴らしいものに思えて、少しずつ水平線に近づいていく
太陽を眺めながら、さすがに太陽に向かってさけんだりはしないけど、
私たちは子供のように本当に陽が落ちるまで、ずいぶん長い間、
その浜辺ではしゃぎ続けていた。
テレビニュースは明日になればまたすぐ違うニュースで、
持ちきりなのだろう。どんな過激なニュースでも2、3日ですぐに
新しいニュースに変わっていく。
  それでもまた明日になれば太陽は昇るから生きていかなくては
ならないし、幸せであり続けたいと願う。
  だから、たとえ今日よりもっと大きな出来事が世界と歴史を変えようと
同じように海は落日に彩られて夜を繰り返し迎えるのだから、私は
その落日に明日迎える夜明けがもっと素晴らしい夜明けであることを
この浜辺を後にしながら祈った。

                                   〜END〜
この作品はフィクションです。
今回結構手を加えましたが、実は時間がなくて、特に第4章は相当修正かけた。
後から読んだら、内容が適切ではない部分が結構あって、反省。
全体的にももう少し簡潔に短くするか、長くするかどっちかにすれば良かったんだが、
とにかく時間がない(´-`).。oOあしからず。










ほんとうにごめんなさい(_ _).。o○ [blog]

本当にごめんなさい。2月になったが、先日の文学賞に
投稿した作品のアップは、17日以降まで待ってね(´∀`)

とりあえず、アメリカも新政権を迎え、
新たなる一年がスタートした。
今のところは慌ただしい感じ。

かくいう私は、とにかく忙殺で、この状態はまだまだ続く( ̄▽ ̄)
最近特に思うこと。今まで生きてきて、この先の人生があり、
どういう風にすぎていくかはわからないことだけれども、
自分自身がそのもの、ただ一人唯一の実存だとして、
自分の中の本心とか、気持ち、想いというものが
自分の存在全てでありたいなあ、と思ったりする。
要するに、生きてきた生き方とか心とか全てが人生や自分自身に
現れてくるのだと思って心していきていくことにした。

そういえば、このレコードジャケット。一風変わったこの
ジャケットを私が手にしたのは20代はじめ。
アナログ盤で、当時都内のディスクユニオンで、1万円くらいした。
60年代のアメリカの西海岸のドアーズというバンドのアルバムだ。
音楽は今の人が聞いたら、不思議な感じがするかも。
ここ数年事情があり手放していたが、手元に戻ってきた。
とにかく前衛芸術のような不思議なデザインだが、
ものは保存状態もとてもいい。

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アルバムジャケットとか、絵画とかは、物事の尺度を考える時に、
それを表現した人が何を思うかというのを想像するのに、とても
いいツールで、自分の考えと他人の創作物という温度差を図る
のにちょうどいい。
IMG_0180.JPG
まあ、このまま取っておくと将来いくらになるんだろう♪( ´θ`)
なんてえげつないことも思ったりもする。あしからず。